つらい子どもの心の本

●ひまわり会 赤沼侃史 著 ●定価(本体1000円+税)  

大人の常識 VS 辛い子どもの心



不登校、引きこもり、いじめ、自殺、キレる子どもは、なぜ起こる?
多くの場合、親や教師の子育てや教育に関する“常識”が、
子どもたちを苦しめ、窮地に追い込んでいる。
心療内科医師として多くの子どもを診断し、社会復帰を実現させ
てきた著者が、“子どもの本当の心”に基づく解決法を伝授する。



ひまわり会 赤沼侃史 著   著者紹介
つらい子どもの心の本
  はじめに
     目次
  
  
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不登校、引きこもり、いじめ、自殺、キレる子どもは、なぜ起こる?
多くの場合、親や教師の子育てや教育に関する“常識”が、
子どもたちを苦しめ、窮地に追い込んでいる。
心療内科医師として多くの子どもを診断し、社会復帰を実現させ
てきた著者が、“子どもの本当の心”に基づく解決法を伝授する。


  • A5判  並製
  • 150ページ
  • 定価(本体1000円+税)

  • ■著者紹介

    向日葵会・心療内科医師
    赤沼 侃史(あかぬま・つよし)
     一九四五年ソウルに生まれ、終戦とともに日本に引き揚げる。
    一九六四年東京大学理科二類に入学、同大学基礎科学科を卒業後、
    新潟大学医学部に入学、一九七五年同大学を卒業、医師免許を取得。
    一九八二年赤沼外科内科を開設し、それ以後、子どもの心を脳科学的に理解する
    研究を開始する。著書に『登校拒否の考え方』、『子どもの立場からの登校拒否、
    不登校、いじめ、引きこもりについて(弱者の論理)Q&A』(付・小児脳科学心理学)
    などがある(両書籍とも現在は著者へ直に購入申し込みをする必要がある)。
    雑誌等への投稿論文も多数。ネット上に子どもの心研究所を開設し、
    さまざまな子どもの心の問題についてカウンセリングを行っている。

    ◇連絡先:向日葵会 〒270―0135 千葉県流山市野々下5丁目972―2
         電話04―7143―0127、Eメール office@toukoukyohi.com

    ■目次




    つらい子どもの心の本 まえがき 7
    序 章 大人の常識と子どもの本当の心 11      なぜ問題行動や事件が減らないのか/大人は子どもの心を理解できているか      子どもの本当の心/動けなくなる子ども/子どもの姿を素直に見る      子どもは情動によって行動する
    第一章 ある少年 19
    第二章 大人と違う子ども 23      「子ども」という言葉には四つの意味がある/四つの心/子どもの心の特徴      子どもは意識的に行動できない/子どもはペットではない/子どもの心の三要素      子ども特有の傾向/子どもの立場に立つ、子どもの心に沿う      思春期以前の子どもの人権を考える/子どもに対する三つの保証
    第三章 子どもの辛さ――恐怖の学習 47      「心の傷」のメカニズム/「心の傷」と登校拒否、不登校/心の傷を体の傷に対比      「心の傷」に包帯を/恐怖の相乗効果/子どもが辛い状態になったときの反応の仕方      子どもが辛くなったときの症状/よい子を演じる動機      子どもは本当の姿を親や教師に見せない/演技に対する判断基準/心の避難場所をつくる      家庭を絶対安全な場所にする/子どもの出すサインとメッセージ      物質的な豊かさと子どもの問題/欲求不満と葛藤状態/力で抑えこむのは逆効果      子どもの心を喜びの循環に戻す/子どもの性格(刺激に対する反応の仕方)
    第四章 弱者の論理 81      弱者の論理、強者の論理/すべての子どもに当てはまる「弱者の論理」      親の信頼と子どもの自立/母親の子どもへの信頼/信頼か、放棄か      甘え、わがまま、スキンシップ/子どもが求めるままに/昼夜逆転を正さない      キレる子どもとは/学校が地獄になると/子どもの心は辛さ以上の喜びが大切      自傷行為の仕組み/子どもらしく楽しく過ごすことが大事      子どもを叱ってしつけてはいけない/心の教育は行動で教える
    第五章 子どものいじめについて 103      いじめる、いじめられる/いじめる子どもについての要因      いじめられる子どもについての要因/いじめられる子どもがいじめる子どもに      いじめの構造/いじめ、いじめられグループの傍観者たち/「しかと」は辛い      子ども的自殺の特徴
    第六章 子どもによる問題行動 117      親の嫌がることをする子ども/いわゆる心が歪んだ子ども      子どもの問題行動は回避行動/悪循環を断ち切る      罰すると同時に強い喜びを与える/不良行為をする子ども、家出をする子ども      家に安心できる自分の居場所があること
    第七章 再度、ある少年 129
    終 章 弱者として対応すべき子どもの存在 133
    不登校・引きこもり・問題行動への対応マニュアル 135      登校時間になって子どもが腹痛を訴えたとき      学校を見たり考えるだけで辛そうになっているとき      子どもの「本当の姿」が見えなくなったとき      よくいわれる「心の傷」とは何か      心が傷つく子と傷つかない子がいるのはなぜか      不登校の子が「学校へ行きたい」と言ったとき      辛い子が、ゲーム・漫画・テレビしか見ないとき      無駄使いを要求されたとき      昼夜逆転の生活を送っているとき      家庭内暴力が起こったら      親に暴力を振るうとき      家を壊す行動が起こったとき      子どもが「死にたい」と言ったとき      「自殺する」と刃物を持ち出してきたとき      刃物を振り回しているとき      いっそ、子ども殺してしまいたいと思ったとき      精神科や診療内科に行こうと思ったとき      どうすれば子どもは動き出すか      いつになったら自立してくれるか      ありのままの姿を認めてあげることの大切さ      子どもは何を求めているのか      子どもが親を信頼するには、どうしたらよいか      子どもの安全な場所とはどこか      父親はいかに対応すべきか      親が人生を楽しむ姿が、子どもを変えていく      親離れ、子離れをどう進めるか


    まえがき



     大人社会の常識、正論とされている「強者の論理(元気な子どもへの対応法)」
    の子育てに疑問を感じ始めたのは、今から一五年ほど前でした。
     神経症状や精神疾患的な症状をあらわしている子どもたちを診ているうちに、
    それらが単なる病気ではないことに、医師として気がついたのです。不登校や引き
    こもりをする子どもたちには、根底に゛学校恐怖症″ともいうべき、心の傷(恐怖
    を生じる条件反射)からもたらされる特殊な心理のメカニズムがあることにも気づ
    きました。そして、親や教師などの大人が抱いている子育てや教育の常識によって、
    多くの子どもたちが苦しみ、窮地に追い込まれている現状も浮かび上がってきた
    のです。家庭が子供たちの「心のすみか」になっていない場合を数多く見てきました。
     現代の経済優先、管理優先の大人社会を反映してか、増加するいじめなどに加えて
    教師の管理が厳しくなるなど、学校も子どもたちが勉学に打ち込める安全な
    場所ではなくなりました。学校で辛い思いをさせられるうえに、大人たちからも、
    「強くたくましい人間に」「世の中に認められる立派な大人に」と常識的な価値観を
    背負わされた子どもたちは、その重荷に押しつぶされ、SOS信号を出しているのです。
     こうした子どもたちの辛い姿と状況に対処するうちに、子どもの立場から考えた
    「弱者の論理(辛くて動けない子どもへの対応法)」が生まれました。これは単なる
    考え方にとどまらず、具体的な対処法、実践方法を含むものです。親たちにも
    「明るい不登校(学校には行かないけれど、家庭で生き生きとした生活をする)」
    というやり方を納得してもらい、子どもの心に包帯をし、心の傷に癒しを与える対応
    を実践してきました。
     本書はその経験をもとに、大人の常識では捉えがたい、心が傷ついた子どもの心の
    メカニズムを明らかにしたものです。
     マスコミなどの報道によると、今や不登校の子どもは一五万人、就業していない
    ニート(引きこもりを含めて)の子どもは五〇万人にものぼりますが、現実には
    もっと多いともいわれ、社会問題になっています。親や大人の思い(強者の論理)を、
    子どものためにという考えで弱者の子どもに押しつけ、いっそう辛い立場に
    追いやっている――私の目にはそう映るのです。
     ここで述べる「弱者の論理」は、一見すると、常識とされてきた子育てに反する
    ことばかりなので、戸惑う方もいるかもしれません。しかし、決して症状だけを
    緩和させる対症療法ではなく、心の傷のうずきに苦しむ゛子どもの本質″から得た
    根本的な対応法です。
     本書が子どもの不登校、引きこもり、問題行動などで悩んでいる方々にとって、
    問題を解決するための一助になれば幸いです。

    赤沼侃史
     二〇〇七年九月
     




















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